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朝倉 俊英; Kim, S.-Y.; 森田 泰治; 小澤 正基*
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(3), p.267 - 269, 2005/12
将来の再処理のために、電解採取法、すなわち電解還元による硝酸水溶液からのTc析出について研究した。炭素電極を用い、電位-0.3V vs. SSE(標準Ag/AgCl電極)において30分定電位電解することにより、3Mの硝酸水溶液中のTc濃度が初期値の93%に低下した。これは7%の析出に相当する。Pd共存のもと0.0V vs. SSEで60分電解することで、濃度値の低下は15%析出に相当する値に達し、PdにTcの析出を促進する効果(プロモーター効果)があることが示唆された。しかし、さらに電解を続けると、Tc濃度が初期値まで増加したことから、競合する再溶解反応があることが示唆された。サイクリックボルタンメトリー測定からは、この再溶解反応がPdを中心とする析出物の特性にも影響し、Tc-Pd-Ru-Rh溶液からの析出物はPd-Ru-Rhからの析出物よりも容易に再溶解することがわかった。電解後のTc溶液のスペクトルには、還元されたTcと亜硝酸イオンとの錯体よると考えられる吸収ピークが482nmに認められ、錯体生成によりTcが再溶解反応の機構である可能性を示した。
峯尾 英章; 磯貝 光; 森田 泰治; 内山 軍蔵*
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(2), p.126 - 134, 2004/02
被引用回数:7 パーセンタイル:45.06(Nuclear Science & Technology)軽水炉燃料の照射時に熱収縮で生じるクラックを考慮した溶解面積変化を取り込んだ単純な溶解速度式を提案した。提案した式の適用性を既往の研究で得られた使用済燃料溶解試験結果だけでなく、本研究で行った軽水炉使用済燃料の溶解試験結果を用いて検討した。ペレット形状の使用済燃料や粉体状の使用済燃料をもちいた溶解試験で得られたウラン濃度だけでなく硝酸濃度の変化についても、提案した式は良い近似を与えることが示された。これにより、提案した式は単純で軽水炉使用済燃料の溶解速度の予測に役立つことが示唆された。しかしながら、式で用いている初期有効溶解面積について、本提案式では説明できない温度依存性が示されたことから、亜硝酸等、溶解速度に影響を与える他の因子についてさらに検討が必要と考えられた。
峯尾 英章; 後藤 実; 飯塚 勝*; 藤崎 進; 萩谷 弘通*; 内山 軍蔵
Separation Science and Technology, 38(9), p.1981 - 2001, 2003/05
被引用回数:22 パーセンタイル:63.65(Chemistry, Multidisciplinary)銀シリカゲル(以下Ag-Sと略)カラム内のヨウ素-129分布を予測する数学モデルの適用性を44,000MWdtまでの燃焼度の使用済燃料の溶解時に発生する実際のオフガスを用い検討した。モデルによって予測されたヨウ素-129の分布は実験で得られた分布とよく一致した。このモデルは使用済燃料溶解時のオフガス処理のため423Kで運転されるAg-Sカラムにおけるヨウ素分布予測に有効であることが示唆された。また、この予測で用いた有効拡散係数やラングミュア係数の値は、オフガス中のNO濃度が1%程度まで使用可能であると考えられた。
臨界安全性実験データ検討ワーキンググループ
JAERI-Review 2001-028, 217 Pages, 2001/08
「臨界安全ハンドブック」第1版(昭和63年刊行)に、「臨界安全ハンドブック改訂準備資料」(平成7年刊行)の内容を盛込んで、この第2版を作成した。第2版では、以下の2点を新規に追加した。(1)実際の化学プロセスが持つ安全裕度を溶解工程及び抽出工程に対するモデル計算の形で例示したこと。(2)臨界事故への対応として、臨界事故の評価方法及び臨界警報装置の設計・設置の考え方について記述したこと。また、臨界安全評価を行う際のモデル化について、均質と見なしてよい燃料粒径や、燃料濃度の不均一性の影響,燃焼度クレジットなど、これまでの研究成果を踏まえ、内容の充実を図った。さらに、第1版では、臨界条件データとその計算に用いられたJACSコードシステムの計算誤差評価結果との間に対応のとれていないものが一部含まれていたが、今回の改訂ではその整合を図った。この報告書は、1999年にJAERI1340として日本語で刊行した「臨界安全ハンドブック第2版」の英訳である。
臨界安全性実験データ検討ワーキンググループ
JAERI 1340, 189 Pages, 1999/03
「臨界安全ハンドブック」第1版(昭和63年刊行)に、「臨界安全ハンドブック改訂準備資料」(平成7年刊行)の内容を盛り込んで、この第2版を作成した。第2版では、以下の2点を新規に追加した。(1)実際の化学プロセスが持つ安全裕度を溶解工程及び抽出工程に対するモデル計算の形で例示したこと。(2)臨界事故への対応として、臨界事故の評価方法及び臨界警報装置の設計・設置の考え方について記述したこと。また、臨界安全評価を行う際のモデル化について、均質と見なしてよい燃料粒径や、燃料濃度の不均一性の影響、燃焼度クレジットなど、これまでの研究成果を踏まえ、内容の充実を図った。さらに、第1版では、臨界条件データとその計算に用いられたJACSコードシステムの計算誤差評価結果との間に対応のとれていないものが一部含まれていたが、今回の改訂ではその整合を図った。
井上 明彦
Nuclear Technology, 90, p.186 - 190, 1990/05
被引用回数:7 パーセンタイル:60.93(Nuclear Science & Technology)二酸化ウラニウム燃料及び、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料の再処理法を提案した。その方法は、燃料の酸化プロセスと、粉砕した燃料(UOとPuO)の硝酸溶解プロセスから成り立つ。PuOを溶解するためには、電気的還元により、硝酸ウラニール溶液より製造したウラナス硝酸溶液を利用する。この方法は、ピューレックス法より、高価な溶媒抽出法を使用しないため、経済的な利点がある。又この方法は、プルトニウムが単体として回収できないので、核燃料の物理的防護の観点において、ピューレックス法より優れている。
棚瀬 正和; 一色 正彦; 下岡 謙司; 本島 健次*
Journal of Nuclear Science and Technology, 17(1), p.83 - 85, 1980/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.29(Nuclear Science & Technology)中性子照射したUOから昇華法によりMoを製造する際、カプセルとしてAlを使用する場合のこのカプセルの安全性の評価,溶解,固化について検討した。安全性評価では、照射時の温度分布を求め、カプセルの溶解はNaOH溶液で試み、固化はゼオライト状固体を得るため、SiO粉末を加える方法を採用した。その結果、Alカプセルは74Cになり、十分耐熱性があることが確認できた。また、カプセルの溶解は3MNaOHが最適でSiO粉末添加によるその固化は容易だった。固化後、100Cの熱処理ではゼオライトの生成はみられなかったが800Cではその生成が確認できた。さらに、中性子照射したAlカプセルを使用した固化体からの水への放射性物質の溶出を試み、Sb以外の溶出は見られなかった。
北村 暁
no journal, ,
日本は使用済燃料の再処理を経て生成するガラス固化体の地層処分の代替オプションのひとつとして、使用済燃料そのものを深地層中に処分(直接処分)する可能性について検討を開始している。使用済燃料の直接処分においては、放射線による影響の可能性の具体例として、放射線によって地下水が変質することで酸化性化学種が生成し還元型地下水が酸化される、使用済燃料の溶解速度が上昇するといったことが挙げられる。本研究では、安全評価における線による影響に特に注目し、使用済燃料、キャニスターおよびキャニスター外部における線の影響に関する研究をレビューするとともに、諸外国の安全評価における取り扱いについても整理した。最近の研究では、線による影響はキャニスターの腐食に伴って発生する水素ガスによって抑制され、顕著なものにはならないことがわかった。